佐々木先生らの新型コロナウイルス研究成果が米国科学雑誌mBioに掲載されました。スパイクタンパク質中のS1/S2開裂部位と呼ばれる場所に変異を有する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、呼吸器におけるウイルス増殖能が著しく低下し、体重減少などの臨床症状を惹起せず、弱毒化することを明らかにしました。一方、弱毒化した本変異ウイルスを接種したハムスターは、高い力価の中和抗体を獲得し、病原性を有するSARS-CoV-2臨床株の感染に対して耐性を示しました。本研究は、新たなワクチン開発の可能性を示す研究成果であり、mBioの発行団体である米国微生物学会(American Society for Microbiology)がプレスリリースを発表しました。
[米国微生物学会プレスリリース]
Building a Better Vaccine for SARS-CoV-2
https://asm.org/Press-Releases/2021/August/Building-a-Better-Vaccine-for-SARS-CoV-2
[論文情報]
SARS-CoV-2 Bearing a Mutation at the S1/S2 Cleavage Site Exhibits Attenuated Virulence and Confers Protective Immunity
(S1/S2開裂部位に変異を有するSARS-CoV-2は低病原性となるが宿主に防御免疫を誘導する)